失敗するシステム開発

ソフトウェアシステムはなぜ失敗するのでしょうか?

その原因はたとえば次のようなものがあります。

  1. 1.システムの要求が曖昧だった。
  2. 2.そもそもシステム化がなぜ必要か、明確に定義されていない。
  3. 3.業務を理解せずシステム開発をはじめた。
  4. 4.システム開発の期間と予算が足りなかった。
  5. 5.しっかりと設計されていない。
  6. 6.設計期間を十分取っていたが、設計がまったく役に立たなかった。
  7. 7.テストが充分に行われなかった。
  8. 8.システム化計画が大規模してしまい、数年開発を進めている間に、ユーザー要求がどんどん変わってしまった。
  9. 9.システムは完成したがユーザーが望んでいるシステムとは異なるものだった。

これらの原因は、ほとんどがシステム開発の前段階で引き起こされているものです。システム開発の前段階に原因があったとしても、それらの問題は、システム開発プロジェクトの中で発覚され、システム開発プロジェクトの中で解決しようとします。しかし、もう手遅れになっている場合も多いのです。

 

もう少しシステム開発を行う前段階でなんらかの形でこれらの問題を解決することができないのでしょうか?

そもそも、なぜこのような問題がシステム開発の前段階で引き起こされるのでしょうか?

まずは図1を見てください。ここには大きな木が3本描いてあります。この木は、企業のビジネス(あるいは部門)を表しています。たとえば、在庫管理業務や人事業務などです。そして、木の中に見える赤い実がコンピューターシステムです。たとえば、人事業務の中の勤怠管理システムや、社員スキル管理システムなどです。

コンピューターシステムは、この木の絵にある赤い実なのです。木をしっかりと育てないと木に実がなりません。それと同じように、しっかりとビジネスをデザインしていないと、コンピューターシステムは、デザインできません。もっと正確に言うと、コンピューターシステム(木の実)は、ビジネス(木)活動の一部を担うものなのです。

従って、ビジネスで、いつ、誰が、何を、誰に、どのようにしてサービスを提供することで、何らかの付加価値をもたらそうとしているのかを "見える化"(デザイン)する必要があり、その一部をコンピューターシステムとして要件定義し設計するわけです。

図1 ビジネス(木)とシステム(木の実)
図1 ビジネス(木)とシステム(木の実)

最近では、コンピューターシステムも肥大化し、1人で作成するプログラムからチームで開発するコンピューターシステムに変化してきました。その過程において、システム開発プロジェクトのノウハウが徐々にではありますが洗練されてきました。

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しかし、その前の段階、つまりビジネスシステムのデザインにおけるプロジェクトはどうでしょうか?

図2 業務開発プロジェクトってあったっけ?
図2 業務開発プロジェクトってあったっけ?

残念ながらほとんど曖昧な状況で進めてしまっており、プロジェクトの体をなしていませんでした。実際には開発前に業務を見える化する活動を行っているプロジェクトもあります。しかし、それらがしっかりとした手法を使った責任あるプロジェクトとして運営されていたかというと非常に疑問が残ります。


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